第39章 和也の気持ち(1)
<コンコン>
潤「はい…どうぞ」
雅「潤ただいまー」
潤「あ…えっと…おかえり…なさい」
部屋に入ると、潤は身体を起こしていた
翔「潤、お前身体を起こして大丈夫か?」
潤「あ、はい…大丈夫です」
相変わらず記憶がないからか、潤は俺にすら他人行儀な話し方をしてきた
智「潤、俺達は家族なんだからそんな他人行儀にならなくて良いんだぞ」
潤「あ、はい…すみません…」
潤…やっぱり不安なんだよな…
翔「大丈夫だよ潤…別に責めてる訳じゃないんだから…」
潤「はい…」
それでも潤は不安でいっぱいというような顔をしていた…
こんな潤を見るのは初めてだったから、俺はどうすれば良いんだろう…
和「潤くん、これ見てください」
潤「え?」
そんな時、和也が持っていた袋の中身を潤に渡した…あれは…
潤「…これ…アルバム?」
和「はい、潤くんが前に住んでいた家に置いていたアルバムです」
潤はそのアルバムを珍しそうに見ていた
潤「これは…俺?」
雅「そ!で、こっちは翔ちゃん!可愛いだろ?」
翔「…その件、今いらないだろ…」
智「お前ら、それ取りに行ってたのか?」
和「はい、昔を思い出すには一番手っ取り早いでしょ?」
確かにそうかも知れないけど…
和「潤くん…忘れてしまった記憶を無理に思い出さなくて良いんです…だから、今から話す事を新たに覚えてくれれば、それが潤くんの記憶となりますから」
潤「和也くん…」
和「『和』って呼んで下さい。以前から潤くんはそう呼んでましたから」
潤「うん…和…ありがとう」
和也…自分もつらいだろうに潤の為に…
翔「昔の事なら俺に任せろよ。記憶があっても忘れてるような事も教えてやるよ」
潤「え!?」
そうだよな…無理に思い出させても潤がつらいだけだよな…
翔「和也…ありがとう」
俺がお礼を言うと、和也は優しく微笑んだ