第39章 和也の気持ち(1)
あの後潤の検査が行われて、脳に特別異常はみられなかった
翔「記憶喪失…ですか?」
医師「はい…弟さんの場合は日常生活の記憶は大丈夫ですが、その他の過去の記憶を失ってます…」
智「治るんですか?」
医師「それは…断定は出来ません。明日戻るかも知れませんし、最悪の場合一生戻らない事も考えられます」
智「一生!?」
医師「可能性としてです。こちらも最善の努力をしますので」
俺と智くんは医師から話を聞き、診察室を後にした
智「翔くん…大丈夫か?」
翔「智くん…俺どうしたら良い?まさか…潤が…」
記憶喪失なんて…正直ドラマとか漫画の世界としか考えてなかった…
智「翔くん…つらいだろうけど、潤はもっとつらい思いをしてるだろうから、ここは翔くんがしっかりしないと」
そうだよ…一体何年俺は潤の兄貴をしてるんだよ…俺がしっかりしないと!
翔「うん…ありがとう智くん」
智「俺達も支えるから頑張ろうな」
そう言って、智くんは俺の背中をポンっと叩いてくれた
こんな時の智くんって、本当に頼りになるなぁ-…
雅「あ、翔ちゃん、智兄」
翔「あれ?雅紀に和也…どうしたんだ?その荷物は…」
いきなり後ろから声を掛けられ振り向くと、雅紀と和也が袋を持って近づいてきた
…でも、確か…
翔「お前達、潤の部屋にいたんじゃなかったか?それにその袋…」
和「まぁいいから。とりあえず入りましょう」
翔「?」
俺と智くんは二人に続いて部屋に戻った