第33章 偽装親子(6)
和「幹矢さん、ちょっと待っててもらえますか?」
幹「ん?別にいいけど…」
俺は大急ぎで自宅に行き、事務所に戻って来た
和「お待たせしました。これ、香住さんの仏前にお願いします」
幹「これ…ペンダント?」
和「辰己さんが亡くなる前日、私に香住さんの誕生日プレゼントって言って渡されたんです」
幹「でも、伯父さんはお前が香住ちゃんじゃないって気づいてたんだろ?なら、これはお前にあげた物じゃないのか?」
和「いいえ…多分、辰己さんは自分の死期が近い事解っていたと思います。だから、私に香住さんが戻ったらこれを渡して欲しいと思って私に言付けたと思います」
そう言うと、幹矢さんはそのペンダントを握りしめて
幹「…そうかもしれないな…解った…預かるよ…和也」
和「はい?」
幹「ありがとう…香住ちゃんの替わりがお前で良かったよ」
和「幹矢さん…」
そう言って幹矢さんは帰って行った
翔「…良かったな、和也」
和「はい…」
結果的には悲しい終わり方だったけど、幹矢さんには幸せになって欲しい…
和「そういえば潤くん」
潤「ん?」
和「今回は色々とありがとうございました。潤くんが側に居てくれて、とても心強かったです」
潤「え?あ、いや…うん」
智「?どうしたんだ潤…お前なんか顔が赤いぞ?」
潤「え!?ななな、何でもないよ!」
翔「…潤…どもってる…変に思われるぞ」
・・・?
和「潤くん大丈夫ですか?」
潤「大丈夫大丈夫!!」
和「…ならいいんですけど…」
潤くんの様子は気になったけど、とりあえず今回の依頼は無事終了した
…辰己さん…香住さん…ありがとう…