第29章 偽装親子(3)
~和也side~
叔母「香住が帰って来たって本当なの!?」
翌朝、屋敷内は賑やかだった…
どうやら松山香住が戻ってきたとの事で、親族中が集まっているようだった…
初「お母さん!アソコ」
とりあえず、顔見せのため応接間にきてみたら、まるで邪魔者が来たような顔をされた…
あからさますぎるな…この人達は…
叔母「まぁー香住!貴方今までどうしてたの?心配してたのよ?」
・・・あんな顔みせられたら思いっきり嘘臭いな
俺は、軽く会釈して潤くんにしがみついた
初「え?やだー!スッゴいイケメン!!ねーねーあなた名前は?」
潤「…松本潤です…」
初「潤くん?あたし貝塚初美!ねー、二人でどっか遊びに行きましょうよ!」
潤「いえ、俺は香住さんの側にいますので」
初「…え?」
その時、俺は彼女に思いきり睨まれた…
まったく…幹矢といい、彼女といい…何なんだ一体…
あまり長居をしたくなかったから、持っていたメモ帳に(喋れない事になってるから)
『お父様の所に行きます』
と書いて皆に見せた
叔父「ああ、そうか…では、私達は後で兄さんの様子を見に行くとしよう」
その後、応接間を出た後に小声で「ちょっとどうするの?」とか、「まさか生きていたとはな…」との声が聞こえてきた(全然、内緒話になってないけどな…)
潤「柏木さん…もしかしてあいつら香住さんに何かしたんじゃ…」
柏「…仮にも松山の名を語る方々ですので、公にはできませんが…」
今の口振りでは、柏木さんも疑ってるのか…?
…香住さん…かわいそうに…
きっと心許せる親族って、お父さんだけだったんだろうな…
そう考えると、やはり病床の父親をおいて家出なんて考えられなかった