第28章 偽装親子(2)
潤「和…どうしたんだ?さっきは…」
和「…解りませんけど、何故かあそこに残っていたかったんです…」
香住さんのお父さんが眠りにつくまで側にいて、さっき部屋に戻ってきた(もちろん入口のカギをかけて小声で話してる)
潤「でも、思ったほど悪くなさそうで良かったな、お父さん」
和「そうですね…そういえば潤くん、さっき気になりませんでしたか?」
潤「何が?」
和「あの『幹矢』って人…」
潤「ああ」
初めてあった時からずっと気になっていた事を、潤くんにも確認してみた
潤「あいつ、俺の事をスッゲー睨んでたんだよな…」
和「香住さんの事が好きだったとか?」
潤「となると、俺に嫉妬したって事か」
ただそれだけならいいんだけど…
和「香住さんの失踪に関係してると思います?」
潤「うーん…でも、遺産相続には関係してこないんだろ?」
和「そうですね…」
出掛けに翔兄さんが気にしていた事…
ー遺産相続ー
和「事前に柏木さんからもらった資料によると、香住さんの父親の『松山辰己』の親族は、香住さんを除いて辰己さんの妹『貝塚登紀子』夫妻、その息子の『新(あらた)』、娘の『初美』、そして辰己さんの弟『松山幹次郎(かんじろう)』夫妻と息子の『幹矢』ですね」
潤「辰己さんの奥さんは亡くなっているから、相続権があるのは香住さんだけだよな」
和「そうですね。でも、香住さんになにかあった場合、相続権は辰己さんの妹弟になります」
潤「怪しいのは叔父と叔母か…」
まだはっきりと解った事ではないから、下手な事は言えないけど…
和「…そうあって欲しくはありませんけどね…」
俺も潤くんもそう願う事しか出来なかった…