第27章 偽装親子(1)
~智side~
俺の父親騒動も落ち着き、今まで通りの生活が戻ってきた
翔「智くん、さくらちゃんがいなくなって寂しくなったんじゃない?」
智「まぁな…でもここから近いし、いつでも会えるよ」
雅「さくらちゃん、元気にしてるかな…そういえば、今日は依頼入ってないの?」
翔「もう少ししたら、依頼人が来るようになって…」
<コンコン>
翔「はい、どうぞ」
そんな話をしていた所に、依頼人がきたみたいだ
「失礼致します。私、本日ご依頼をお願いしました柏木と申します」
翔「はい、お伺いしてます。こちらにどうぞ」
入ってきたのは白髪頭の男性だった。
しかし、やけに丁寧なしゃべり方をするじぃちゃんだな…
翔「それで、ご依頼内容は?」
柏「…実は人を探しておりまして…」
翔「その方はご家族ですか?」
柏「いえ…お話する前にこの写真を見ていただきたいのですが…」
そう言って出された写真は…
雅「あれ?これ和じゃん」
和也が写った写真だった
柏「やはり!お名前は偽名です!下の喫茶店で拝見した時、もしやと思ったのですがお嬢様だったのですね!」
え?偽名?お、お嬢様ーーー!?
智「ち、ちょっと待った!あんた勘違いしてる!こいつはそのお嬢様じゃねー!俺達の弟で和也っていうんだ!」
柏「お、弟?間違いないのですか?」
翔「はい…」
雅「可愛い顔はしてるけど、男だよ」
依頼人は歓喜の表情から一転、思いきり落胆してしまった
翔「あの…詳しい話をお聞かせください」
柏「私は隣町にあります、松山家に仕える執事でございます。この写真のお嬢様は、松山家の一人娘である香住(かすみ)様でいらっしゃいます」
…ホントに女なんだ…