第26章 大野家の奮闘記
ったく…あのオバサンもろくな事しないなー…
智「そういえば、翔くんさっき住所が何とか言ってなかったか?」
翔「うん、この名刺の住所…確かこの間受けた依頼にあった研究所の住所なんだ」
智「研究所?何だっけ、その依頼」
翔「あ、智くんが入院中に受けた依頼なんだけど、その研究所の近隣住民が、研究所で怪しい研究をしているようで怖いから調査してほしいって」
何だ?その怪しい研究って…
智「で?何かわかったのか?」
翔「詳しくは無理だったけど、聞いたことないような薬品を色々取り寄せているみたい」
そう言いながら翔くんは、電話帳を引っ張りだし何処かに電話していた
智「翔くん、何処に電話してるんだ?」
翔「ん…あ、もしもし『永井研究所』ですか?大野何でも屋…はい?あ、そうですけど…」
翔くんはいきなりその怪しい研究所に電話していた
翔「あなたですよね?あのケーキを持って来たのは…ええ…本当ですね?こっちは証拠品を持って警察に行く事も考えてますからね…わかりました、では…」
智「…どうしたんだ?」
翔「あの薬はまだ試作段階で、効き目も弱いから一日で元に戻るって」
そっか…なら良かった…
翔「本当変な人だよ。電話の向こうでものすごい動揺してるんだよ『えええええっ、ししし、翔くんですよね!?』だって…そんなに動揺するくらいなら、最初からこんな事しなきゃいいのに…」
・・・もしかして、翔くんが電話した事に動揺したんじゃないか?