第23章 本当の家族(3)
~翔side~
翔「…う…ん…」
うっすらと眼を開けると、酸素マスクをあてられてベットで横になっていた
ふと横を見ると俺の手を握ったまま、雅紀がベットにうつ伏せていた
翔「…雅…紀…」
雅「翔ちゃん!?」
俺が名前を呼ぶと、ガバッと飛び起きた
雅「翔ちゃん、良かった…気がついたんだね…良かっ…」
雅紀は俺の手を握ったまま、泣いていた
翔「雅紀…ごめん…ごめん…な…」
俺は次々に溢れる雅紀の涙を手で拭った
雅「翔ちゃん…お願い…もうこんな無茶しないで…翔ちゃんに何かあったら俺…」
翔「…うん…ごめん…」
その時、病室のドアが静かに開いた
潤「翔兄さん!気がついたの!?」
翔「潤…ごめん…心配かけた…」
潤「本当だよ!もう…やだよ俺…こんな想いするの…」
雅「潤、智兄達は?」
潤「今連絡したら、こっちに向かってるって」
そういえば俺が病院にいるって事は、診察した病院側が警察に連絡するんじゃ…
翔「潤…今回の事…警察に連絡しないように…伝えて…」
雅「大丈夫。ここの病院の院長は俺達の父ちゃんと友達だから、警察に連絡しないように伝えたから」
そっか…なら大丈夫かな…
潤「でも、翔兄さん。雅紀兄さんの為にも、無茶は禁物だよ」
翔「雅紀の…為…?」
潤「凄かったんだから、雅紀兄さん。『翔ちゃん…翔ちゃん』ってずっと泣いてて。もうこっちが見てられなかったよ」
雅「じ、潤!もう良いよ!」
雅紀は顔を真っ赤にして焦っていた
翔「うん…そうだな…」
その後、智くんと和也も駆けつけてきて、和也に思いっきり小言を言われた…