第19章 パパと呼ばないで!?(6)
~智side~
「・・・パ・・・」
…なんだ…?もしかして誰か呼んでんのか…?
「・・・パ・・パ・・」
パパ…?俺の事をそう呼ぶのはさくらだけだぞ…?…さくら…?
智「さくら!!」
さ「パパ!!」
智「…どこだ?ここは…」
そういえば、さくらが連れ去られそうになって…助けようとしたけどあいつらに…
「…俺はガキを連れてこいと言ったはずだが」
男①「すみません社長。こいつがジャマしてきたもので」
智「誰だ!?」
目覚めた俺の前に立っていたのは、俺達を連れてきた二人とは明らかに貫禄が違う男だった
さ「パパ…恐いよ…」
智「大丈夫だ」
社「パパ?おい、お前は『長澤泰士』か?」
ながさわ…たいし…?どっかで聞いた名前だな…
智「誰だ、それ」
社「…違うのか?なら何故そのガキはお前を父親だと言ってる?」
智「そんなの俺が聞きてーけど、さくらの母親が見つかるまでこの子の父親がわりをするつもりだ」
社「ちっ!無駄足かよ」
男②「すみません…」
智「おい!俺達をこんな所に連れて来てどうする気だ!さくらの母親は無事なのか!?」
社「うるせぇ奴だな。そのガキの母親は俺らも探してるんだ。無事かどうかなんて知った事か」
って事はこいつらが何かしたって訳じゃないんだ…まだ無事な可能性は充分にある…
智「さっきも言ったけど、俺らを連れて来てどうするつもりなんだよ」
社「そのガキを使って誘きだすんだよ」
智「さくらの母親をか?どうやってだよ!居場所もわかんねーのに」
社「馬鹿か!母親じゃねー父親の方だ」
智「同じ事じゃねーか!父親だって…」
社「検討はつけてある」
何だって!?もしかして近くにいるのか?
社「さて、おしゃべりは終わりだ」
そう言って俺の顔面に小刀を向けた