第8章 セバス夢:残り香
(女の人と一緒にいたと思ったなんて、言えないよ・・・)
「女性と一緒にいたとでも?」
『!?』
「クスッ・・・・それで、如何ですか?」
『い、如何ですかって?/////』
「この香りは好きですか?嫌いですか?」
徐々に近くなる距離。
『好き・・・です////////』
「それは良かった」
『でも・・・』
唇が触れそうになったその瞬間、名無しが口を開いた。
ピタリとセバスチャン動きが止まる。
『私は、セバスチャンさんなら、どんな香りでも好きです//////』
その言葉にセバスチャンの目が見開かれた。
言った本人は茹で蛸のように顔を真っ赤にし、今でも溢れんばかりの涙を瞳に溜めている。
「全く・・・貴女には敵いませんね」
『んんっ!?/////////』
セバスチャンが困ったように笑ったかと思った次の瞬間、塞がれる唇。
軽いリップノイズと共に離されると、今度は瞼へと口づけが落とされた。
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