第8章 セバス夢:残り香
「そう言う素直な所が好きですよ」
『っ!/////////』
「さて、と」
『あ、お仕事中でしたね。ごめんなさい』
「名無しに邪魔されるなら幸せですよ」
セバスチャンはそのまま名無しを横抱きにしてイスから立ち上がると、今まで自分が座っていたイスに名無しを下ろした。
「そろそろアフタヌーンティーの準備をしなくてはいけませんので、続きは夜に・・・」
『分かりました』
名無しがあまりにも素直に返事をしたので、セバスチャン一瞬目を丸くしたが、すぐにいつもの微笑みを浮かべながら彼女の耳元でそっとつぶやいた。
みるみるうちに再び顔を赤くする名無しの頬に口づけし、部屋を後にした。
「夜が楽しみですね」
そう小さく呟いて。
部屋に残るセバスチャンの微かな香りに包まれ、名無しの頭にはその言葉が響くばかりだった。
(ーーーーキス、の続きですからね?)
FIN
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