第4章 紳士な怪盗
紳士だなぁ~と思っていると、ヒソヒソと話す声が聞こえた。
「ねぇ~、あの金髪の人かっこよくな~い?」
「私も思った!イケメン過ぎる~!」
「一緒にいるの彼女かな?」
「外人彼氏ヤバーい!」
それを聞いて私はエドガーを見上げた。
私より頭1つ分高い位置にある顔は、窓の外に向けられていた。
リボンで縛られたブロンドが時折光を浴びてキラキラ輝いている。
不意に視線が私に向けられた。
「どうしたんだい、名無し?」
『何でもない!』
チュッとまたおでこにキスされ、恥ずかしさと嬉しさから胸に顔を埋めた。
しばらくして目的の駅に到着。
紳士らしくエスコートする姿に、周囲の人は釘付けだけど、私は特に気にせず差し出される手を取る。
今日は人気のテーマパークへ来た。
クリスマスの近いこの季節は、家族連れやカップルでごった返していた。
チケットを購入し、ゲートをくぐればそこは夢の世界。
『エドガー!これ着けてみて!』
ショップに入り、カチューシャを手渡す。
私は女の子用のを手に取り、鏡の前で着けてみた。
「可愛いよ、レディ」
『ありがとう!エドガーも似合ってるよ!』
ぬっと横から顔を出したエドガーの髪にも手渡したカチューシャが着けられていた。
レジでカチューシャを購入した後、マップを片手にエドガーの手を引いて歩いた。
『これ、乗ってみる?エド、速いの大丈夫?』
「あぁ、たぶん。」
『たぶん?』
「こういう所はあまり来たことがないんだ」
『そっか。じゃぁ、楽しまないとね!』
「名無しが居てくれれば、砂漠のど真ん中だって楽しいさ」
『もうっ、エドったら!/////』