第6章 não deixe
潤「ははっ。そうなんだ…雅紀面白い」
「ええ?そう?そんな事初めて言われた」
潤「もしかして天然なんて言われる?」
「えっ…しょっちゅうだけど」
潤「やっぱり!だよねー」
ポン、とテーブルを叩いて潤が笑う。
そのキラキラした飾らない笑顔が凄く眩しい。
見てるだけで…こんなに堪らない気持ちにさせられる人なんて…今まで居なかった。
俺は…ゲイなんだろうか。
でも…きっと違う。
翔ちゃんが居たから同性愛に免疫はあったし偏見なんてないけど…俺は女の子大好きだ。
男なんて…考えた事ないし…正直気持ち悪い。
だって女の子の方が…小さいし柔らかいし…いい匂いがするし…。
男なんて…ゴツいし…声低いし…。
でも…目の前に居るこの人は…そんな事根底から打ち砕く様に…俺の中にどんどん入って来て。
性別とかじゃなく…松本潤というこの人を…好きになってしまったんだと…時間が経てば経つ程思い知らされる。
潤「雅紀?」
「え?」
潤「ボーッとしてる」
「あ…ごめんごめん。大丈夫」
潤「そろそろ出ようか?もうこんな時間だし…」
時計を見ると22時を回っていた。
「ごめんね。遅くまで付き合わせて」
潤「いいよ。雅紀と居たら楽しくて時間忘れちゃった。まだ話し足りない位だよ」
そう言って潤は伝票を持って立ち上がった。
話し足りない…その言葉につい俺の手は…その潤の手首を掴んでいた。
潤「雅紀?」
「あの、さ…まだ時間平気なら…場所変えない?もっと…静かな場所で…」
潤「………」
俺がそう言うと…潤のさっきまでの明るい瞳が…少し艶を含んだ様に感じた。
潤「いいよ。行こ」
そう言って歩き出す潤の背中を俺は急いで追い掛けた。