第5章 Eu me apaixonei
翔「雅紀。来てくれたんだ」
「あ、うん…翔ちゃんとこの部長から連絡あってさ。心配したよ…やっぱり飲み過ぎた?」
翔「あー…」
苦笑いする翔ちゃんの後ろに…背を向けてコーヒーを入れる弟くんの姿。
その背中が気になって仕方なかった。
翔「心配掛けて悪い。潤がたまたま帰って来てくれてさ…お粥作ってもらったから…大丈夫」
「そっ、か…」
潤「どうぞ」
「あ、どうも…」
温かいカップが俺の前に置かれた。
翔「紹介してなかったよな。話してた弟の潤だよ」
潤「松本潤です。兄が…お世話になってます」
「あ、相葉雅紀です…いえ…こちらこそお世話になってます。急にお邪魔して…」
潤「お邪魔してるのは俺ですから。遠慮せずに」
またニッコリと微笑まれ…心臓がドクン、と跳ねた。
ヤバい…これって…。
違う…俺は…ノーマルなのに…。
潤「この食材…頂いていいんですか?」
「あ、うん…翔ちゃんに何か作ろうと思って持って来たけど…弟くんが…潤くんが居るなら任せるよ」
潤「じゃあ…夕飯鍋にしようか。雅紀さんも一緒に食べましょう」
雅紀さん…。
下の名前で呼ばれた事が…こんなにも嬉しいなんて…。
「いいの…?」
潤「いいよね?」
翔「勿論。ゆっくりしてけよ」
「じゃあ…遠慮なく…」
これで…潤くんと一緒に居られる理由が出来た。
俺はひっそりと心を弾ませた。