第5章 Eu me apaixonei
ー雅紀sideー
翔ちゃんが風邪を引いて休んだと部署から連絡があった。
俺は仕事を早く切り上げ定時で上がり、スーパーで買い出しをした後翔ちゃん家へ向かった。
きっと…二日酔いだろう。
直感で分かる。
あんなに手酷く捨てられた元カレのあんな場面見たら…誰だってそうなる。
やっぱり…昨日の帰りに寄ればよかった…。
翔ちゃん料理なんてしないから…何も食べてないよな。
何か作ってやろ…。
翔ちゃんの部屋の前に立ち、インターホンを鳴らす。
まだ死んでるかなぁ…。
そう思ってると向こうから聞き覚えのない声がした。
『はい』
「………え?翔ちゃん…?」
『兄は…具合悪くて寝てますけど』
兄…?
え…弟くん?
「あ、あの…俺職場の同僚の相葉です。今日仕事休んだからお見舞いに…」
『少々お待ち下さい』
弟くん帰って来てたんだ…。
暫くすると、カチャッとロックが外され、玄関の扉が開かれる。
「………あ…」
潤「初めまして。弟の…潤です。どうぞ」
目の前に立つ青年の顔を見た時…俺は笑顔から目を離せなかった。
日本人離れした濃いめの顔立ち。
キリッとした眉毛に大きな瞳。色っぽい唇に白い肌…。
………クラクラする…。
潤「あの…」
「あ…す、すみません。お邪魔します」
中に入ると弟くんに着いて中に歩いて行く。
その間も俺は…その綺麗なラインのうなじから目が離せなかったんだ…。