第4章 sexo segunda vez
プシュッと何度目かの心地いい音。
この音…好きだな…。
中にある琥珀色の液体を一気に半分程流し込む。
「はぁ…」
テレビ画面に映る好きなバラエティー番組。
部屋に響くその音は…今日は何だか空しく感じた。
結局雅紀は…上司に急な仕事を与えられ、残業を余儀無くされた。
『飲み過ぎちゃ駄目だよ?』
何度もそう言っていた。
そして家に帰った時にも…同じ言葉をメッセで送ってきていた。
優しいんだよな…相変わらず。
雅紀のそういうとこ…好きなんだよな…。
「はぁ…」
もう…吹っ切れたと思っていたのに。
何でこんなに…打ちのめされてんだ…。
『翔くんが居れば何もいらないよ』
『別に結婚なんて興味ない。子供も苦手だし。うるさいし面倒だしさぁ…自分の時間より子供優先だなんておいらには無理だな』
でも…今日見た貴方は…とても幸せそうで…。
もうすぐ産まれてくる我が子の誕生を…何より心待ちにしている顔。
父親の…顔だった。
本当は…子供…欲しかったの?
あの言葉は…嘘…?
何度追求しても…肩を揺さぶっても…貴方はごめんしか言わなかった。
言い訳を…しなかった。
何で…何で…?
彼の事が…何度も頭を回っていた。