第2章 reunião
雅紀「はぁ!?名前も知らない男と寝た!?」
「ちょっ!声大きい!」
おつまみの枝豆が雅紀の口の中から溢れる。
雅紀「………しかも会ったその日って…どうしたの翔ちゃん」
「いや…うん…何でだろう…」
雅紀が溢した枝豆を口に入れる。
「正直分かんない…羽目外したかっただけなのか…そいつに惹かれたのか…」
雅紀「………まぁ…別にいいんだけどさ。翔ちゃんらしくないから驚いたな」
「俺も驚いてる」
雅紀「しかし…翔ちゃんがねぇ。異国の地でワンナイトラブなんてさ」
クックッと笑いながら雅紀が箸を動かす。
雅紀「いいんじゃない?たまにはさ」
「そうかな…」
雅紀「うん。で…どうだったのそのワンナイトラブは…」
「うん…」
雅紀「うん」
ずいっと顔を近付ける。
「………あんなセックス初めてって位…最高だった」
雅紀「うっほぉ!言うねぇ!」
「向こうは男初めてっつってたけど…信じられない位上手かったな…」
雅紀「へぇ~…」
「まぁ、一晩だけだから思いきり出来たのかもな」
雅紀「それもあるかもね」
「そいつさ、着けてたブレス忘れて行ったんだよ。持って帰って来たんだけどさ…もし…再会なんて奇跡が起きたら…その時はブレス返して…名前聞こうって思ったんだよね」
雅紀「翔ちゃんロマンチック…」
「そうか?」
雅紀「では改めて…翔ちゃんのロマンチックなワンナイトラブに乾杯♪」
「あははっ!乾杯!」
チン、とグラスの音がまた個室に響いた。