• テキストサイズ

CRIME【気象系BL小説】

第9章 Contenda com minha mãe


ー翔sideー


智「やべ…こんな時間だ」


「え…」


行為が終わり、時計を見た途端、智くんがベッドから抜ける。


「やっと時間出来たのに…」


智「ごめんよ。あいつ最近煩いんだ」


ベッドに腰掛け、脱ぎ捨てた衣服を掴む智くんの背中をぼんやりと見つめた。


「次…いつ逢える?」


そっと背中に触れても直ぐに立ち上がり、下着とズボンを履いた。


智「分かんね。時間出来たら連絡するから」


「………」


智「翔くん…ごめん」


「いいよ。家庭持ちと付き合うとこうなるんだよね。早く帰れよ」


智「翔くん」


壁を向いて布団を被ると…ベッドが軋み、智くんが腰掛けたんだと分かる。


智「愛してるよ」


「………」


智「こうなったのは俺が悪い。俺が馬鹿な事したから…本当にごめん」


「………」


智「本当は翔くんと居たいんだよ俺も。でも…色々と難しいんだよ。分かってくれ」


「………もういいから。早く帰ってあげて」


智「………」


智くんの手が髪の毛に絡み付く。


智「愛してる…」


髪にキスされた後、智くんが出て行く音がする。


静まり返る部屋。
襲ってくる孤独。





『やっぱり不毛だよ。男同士なんて』


智くんと別れた日。
心を抉った言葉。


許せなかった。
憎いとさえ思った。


なのに、またその相手と関係を持つなんて。
しかも…いわゆる不倫。


どちらが罪なんだろう。
弟を…愛した事とどちらが。


「潤…」


まだ忘れられないその笑顔を思い浮かべながら、俺は布団を深く被った。
/ 161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp