第8章 Terminar
「はぁっ、はぁ…」
潤「ん…はぁ…」
崩れ落ちそうになる潤を支えて椅子に座らせる。
そのまま潤を後ろから抱き締めた。
潤「何…してんだよ…」
「………」
潤「訳分かんねぇ…」
「………潤…」
潤「何」
「………ごめん」
潤「ごめんって何だよ…」
答えられずにいると、潤がフラフラと立ち上がる。
支えようと手を伸ばすと強く弾かれる。
潤「謝る位ならこんな事するなよ。俺が誰と寝ようと兄さんに関係ないだろ」
「分かってる…でも」
潤「でも何だよ!」
ドン、と潤の拳が壁に叩き付けられる。
潤「兄弟なんだろ。あの日の事は忘れるんだろ。俺に答えるつもりはないんだろ。だったらこんな事するなよ。兄さんがそんなつもりなら…俺は出てくよ」
「潤…!」
潤はそのままバスルームを出て行った。
「潤…俺は…」
静まり返ったバスルームで1人、佇みながら潤の余韻を感じた。
潤。
俺はお前を…。