第2章 八王子睦と大学生彼女
「バックスー!!声出てないぞー!!」
本日日曜日は一日中母校のラグビー部の練習を見に来る。
ついでに一人しかいないマネジの手伝いをする。
私の可愛い可愛い後輩のうめのはボールやビブスのメンテをしている。
私はと言うと、ウォータージャグに水を入れポ●リのもとを溶いたところだ。
今年からかなり練習にも力がはいり、みんな楽しそうにラグビーをやってる。
「今から30分休憩。休憩後は紅白戦を行う。メンバーは…」
今年からきた籠さんと言うコーチもきちんと指導してくれる人のようでよかった。
「うめちゃーん。ビブスくれー。」
三年生は今年で最後。
自分たちの代は感慨もなにもなかったけど、この子達の代は出来るだけ勝ち残りたいだろう。
「凉子さん。今日もありがとう。」
ランニングやらアタック練でへばった1年生達にポカ●を渡していると後ろからでかい影が。
「睦くん。お疲れ様。練習見にくるの好きだしね。はい、ポ●リ」
私がこんな風に練習を見にくるのは、もちろん頑張ってる可愛い後輩達をサポートしたいと言う気持ちもある。
でもそれ以上に私がここにくる理由…。
「ありがとう。今日、帰りうちよる?」
大好きな睦くんを見に来るためだ。
高校を卒業すると同時期に付き合い始め、2年の付き合いになる。
優しそうな目元も、たぷぽよしてるけど実は内側に筋肉詰まってるお腹も、頼りになりそうで実はテキトーなところも全部大好きなのだ。
タオルで汗と土を拭いながらボトルの中身を飲み干していく。
みんなもそうなんだけど、頑張ってるんだなぁってしみじみ思う。
「凉子さん?おーい?」
どうやらぼーっと睦くんの顔を見つめていた私の顔を覗き込んで手を振る。
「あ、うん!いく!おばさんのごはん食べたい!弟くんたちにも会いたいし!」
応援やらなんやらで面識のある八王子家には何度かお泊まりやらご飯やらでお世話になっている。
おばさんには何度も「むーが卒業したら結婚してね!」といわれている。
よし決まりー!と嬉しそうにしてくれるあたり好きでいてくれるんだなぁとうれしく思う。
うめのちゃんの合図で休憩が終わる。
紅白戦が始まる。
また睦くんのこと見ちゃうんだろうなぁ。