【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第10章 迎えた朝は…(月島蛍/繋がる縁の円)
昨晩の事は、夢だと思っていたところがある。
だけど、目が覚めて一番に見た光景は、一糸纏わぬ姿で隣に寝ている月島くんで。
現実だったのだと、認めざるを得なかった。
もし、酔っていて記憶が曖昧だったりしたら、起きた途端に嫌味を連発されそうな予感がする。
その前に、ベッドから離れようとした。
でも、身体に巻き付いた腕に邪魔されて、簡単にはいかなかった上に…。
「…ん…ぅ。」
私が動いた事で起こしてしまう事態まで発生する。
唸り声を上げただけで、それ以上は何を言われるでもなく、寝惚けた眼がこっちを向いていた。
それも、すぐに閉じられて再び眠りの世界へいこうとしている。
「月島くん、一旦起きたなら、離して貰えない?」
「…やだよ。」
「何でよ?」
この状態のままは、私の精神衛生に宜しくない。
反応はあるから、今なら離してくれると思っていたのに。
「今日、休みなんだからゆっくりさせてくれても良くない?」
彼の回答はこれだった。
別に、ゆっくり寝てくれても構わないけど、私の事は離して欲しい。
それを言葉にする前に、再び眠ってしまった。
また動いて起こしてしまえば、今度こそ嫌味を言われる。
そんな確信があって、大人しくしていた。