【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第9章 きっかけは、何でも(月島蛍/繋がる縁の円)
コトの後は、甘い雰囲気になったりする事も無く。
それどころか、ゴムの始末だけしたら、さっさと寝やがった。
まぁ、かなり酔っ払ってたし?
運動したから、眠いのは分かってるよ?
でも、少しくらい、何かあっても良いじゃない。
まぁ、月島くん相手に期待はしてなかったけど、さ。
悔しくて、隣の男の寝顔を睨む。
その顔は、普段の意地悪い月島くんじゃなくて。
ただの綺麗な男で。
この人とエッチしたのが信じられなくなった。
少しでも実感したくて、身体を寄せると体温を感じる。
腕枕して欲しい、とか。
抱き合って眠りたい、とか。
せめて手を繋ぎたい、とか。
そんなワガママは考えない。
だって、私はまだ1番じゃない。
彼の1番は、未だにきっと…。
そこまで考えた時、腰に腕が回ってきて引き寄せられた。
寝ているから、無意識の内だって分かっている。
だけど、凄く嬉しかった。
今日の事は、鉄朗に挑発されたっていうのが理由だと思う。
あの冷静な月島くんが、自制出来なくなるくらい飲んだのは謎だけど。
今だけは、私にこの温もりをくれるなら、きっかけなんか、何だって良かったと思えてきて。
頭を過った後ろ向きな思考が和らいで。
不思議と安心した気持ちで、眠りに落ちる事が出来た。