【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第9章 きっかけは、何でも(月島蛍/繋がる縁の円)
月島くんと付き合って数ヶ月。
付き合い始めた日のキス以外の進展はない。
私としても、りらの代わりとして抱かれるくらいなら、このままで良かったのだけど…。
何故か、深夜に訪ねてきた彼は、かなり酔っ払ってて。
お水を出そうとした私の手を掴み、強引に唇を重ねてきた。
完全に、酒の勢いだ。
こういう時は人間の本性が出るのが分かってて、流されてやる気はない。
だって、最中にりらの名前とか呼ばれたら、辛くなるだけだ。
胸元を押し退けるようにして唇を離す。
至近距離で私を眺める眼が笑って。
「りんさんは、最初は嫌がる素振りだけ見せるって、ホントだったんだ?」
どこから得たんだか分からない情報を吐き出してきた。
いや、本当は分かってる。
私のそんな情報を吐けるのは鉄朗だけだ。
私達に進展がないのに気付いて、挑発したんだろうな。
余計なお世話だ。
「それで、試しに来たんだ?悪いけど、そんな事ならしないよ。」
完全拒否の方向性を示して、逃げるように身体を引く。
だけど、逃がしてくれる気も無かったみたいで。
「嫌がってても、感じやすいから、すぐにソノ気になるとも聞いてるんだけど?」
ゾッとするくらいの低い声が響いてきた。