【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第7章 「タダイマ。」(黒尾鉄朗/episode0)
徐々に腰の動きが速くなっていく。
それに合わせるように部屋中に響くのは、粘性の液体が絡む音と、肌のぶつかる音で。
聴覚までも侵されて、正常な思考は飛んでいった。
「…あぁっ!ん…ぁっ…。」
そうなると、恥すら無くなって口からは喘ぎばかりが止めどなく溢れていく。
もう、何処に触れられても簡単に達してしまうから、何回そうなったか分からない。
本当に、鉄朗とは肌が合う。
「なぁ、きとりサン。俺も、そろそろ、イってい?」
何度目かの絶頂の余韻に浸っていると、呼吸に挟まれ途切れがちな声が聞こえた。
言葉で返す余裕は無くて、首を縦に振ると、より激しくなる律動。
奥深くを何回も自身の先端で叩かれて、足の先まで痺れるような感じがした。
「…やっ!またっ…イっちゃ…っ!」
「どうせなら、一緒に…な?」
「…んっ、んんーっ!」
目眩がしそうなくらいの激しさに、身体が小刻みに震える。
興奮で滲んだ視界に、笑っている鉄朗が見えたと思ったら唇を塞がれて。
荒れた呼吸を繋げず、息苦しさの中で果ててしまった。
身体の奥には、鉄朗の自身が未だに収まっている。
ただ、欲を吐き出しているのかビクビクと拍動していて、お腹の中にジワりと熱が広がった。
私を抱き締めるように身体に絡む腕、感じる重み。
耳元で聞こえる荒れた熱い呼吸。
どれもが心地好くて、抱き締め返す。
「…鉄朗、タダイマ。」
「お帰り、きとりサン。」
たった今、私は帰ってきたのだ。
この愛しい男の腕の中に。
身体中で体温を感じて、鉄朗を実感する事で、やっと素直に言葉に出来た。