【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第4章 lostvirgin(黒尾鉄朗/episode0)
意識が戻ってくると、体に感じる暖かい重み。
クロが、抱き締めてくれている。
身体のナカの異物感は和らいでいたけど、脈を打っているのは分かった。
「…悪ィ。無理させたな。」
耳元で聞こえる声と、頭を撫でる手が優しい。
「大丈夫。クロがハジメテの相手で、良かった…。」
「…そうか。」
本音を漏らすと、クロは安心したように笑った。
少しの間、繋がったまま抱き合ってから、ゆっくりとナカから自身が引き抜かれる。
その喪失感が淋しくて、クロがゴムの後処理だとかしている間も腕を撫でるように触れていた。
「血ィ、出なかったな。」
「スポーツやってたからね。運動してると、裂ける事あるらしいし。…少しくらい破瓜の証拠欲しかった?」
「…や。血とか出てたらマジ罪悪感あっから、良かったと思ってんだよ。それに、そのお陰で処女でもイけた訳だし?」
片付けを終えたクロとふざけたような会話をして。
2人とも裸のまま布団の中に潜り込む。
「ココ、来いよ。」
クロから示されたのは二の腕。
遠慮無くそこに頭を乗せて体を寄せた。
「お休み、きとりサン。」
「お休み。…て、鉄朗。」
挨拶の後に呼ばれた名前に応えようと、私も名前で呼んでみたけれど。
照れて言えなかった少しの間に眠ってしまっている。
まぁ、名前呼びとか今更すぎて恥ずかしいから、聞かれなくて良かったと思っておこう。
触れるだけの口付けを落として、目を閉じる。
この日、初めて2人で朝まで過ごした。