第2章 編入生
そろそろ周りの生徒たちも料理を完成させていく。
半分以上の生徒が皿を出し終えただろうか。
そんな中、何かのトラブルがあった幸平と田所のペアはまだ出していない。
(あの二人、大丈夫かなぁ……まあそういう私もまだ出してないけどね)
だが、いつもより時間をかけて作っているのブッフ・ブルギニョンもそろそろ完成する。
あと少し煮込んで盛り付けるだけだ。
生徒たちは緊張した面持ちでシャペルのもとへ皿を持っていく。
あるペアはホッと胸をなでおろし、あるペアはがくりとうなだれる。
そんな様子をはぼんやりと見ていた。
(あのペアは評価Aだったのかな)
よっしゃ、と言っているところを見ると、そうなのだろう。
(さてさて、次のペアはどうかな……って、あ)
「次、審査お願いしまーす」
(編入生と恵だ……!あれからどうなったんだろう?)
恵は編入生の幸平の後ろに隠れるようにして、シャペルのところへ行く。
(恵はあと一回でもEとったら退学だからなぁ……頑張れ、恵!)
は恵を心の中で応援する。
(なんか私まで緊張してきた)
さあ、どうなるのか。