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フレンチの料理人のお気に入り【四宮】

第2章 編入生


「注目」



シャペル先生が教室に入ってきた。



「おはよう、若きアプランティたちよ」


生徒たちもおはようございます、と挨拶する。




ローラン・シャペル。

遠月の教師の中でも特に厳しいことで有名。
評価A以外は全て評価Eをつけるほど。



だがはシャペル先生に気に入られている。

フレンチが専門ということもあるし、何よりも料理に対する姿勢とその実力を買われている。



(四ノ宮さんもそういえば、私がフレンチが好きって話をしたら、一気にガード解いてくれたなぁ)

やはり同じ分野でわかりあえる仲間というのは貴重なのだろう。






「本日のメニューはブッフ・ブルギニョン。フレンチの定番と言える品だが、一応白板にレシピを記しておく。制限時間は2時間、完成した組から出しなさい。では始めるとしよう、調理開始!」



その言葉を聞いて、生徒たちが慌ただしく動き始める。




(2時間かぁ、結構時間短いな)


は周りがすでに調理準備に入っている中、のんびりとレシピを見ている。

せっかくフレンチの授業なのだから何か斬新なアイディアで一工夫できないものか、と考えていたのだ。

だが、制限時間が案外短いため、今回は無理そうだ。



(しょうがない、普通にやるか。その代わり、いつもより手間暇かけて丁寧に作ろう)


そういうわけで、彼女も調理に取り掛かる。
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