第3章 極星寮
〜創真side〜
「へ、マジで!?」
今日一番の驚き、と言っても過言ではない。
だってそいつが極星寮にいるってことは、身近に十傑メンバー並みの実力を持った人間がいる、ということなのだから。
「……多分もうすぐ来る」
伊武崎がボソッと言う。
その言葉を見計らっていたかのように、人がドヤドヤと入って来る。
「「とうちゃーく」」
まずはぶり大根を取りに行った二人。
それと、さっき俺の部屋の天井から出没した人。
そしてその後ろにいたのは。
「お、九条じゃん!」
そう、授業の後に話しかけてきた九条だった。
「あ、幸平くん!」
向こうも俺に気づいたようだ。
「奇遇だね、寮まで一緒だなんて!」
「そーだな、まあこれからよろしく頼むよ」
「こちらこそ」
俺たちが普通に会話していると。
周りのみんな全員が先ほどよりも驚愕していた。
(ん?俺、ただ単に九条と話してるだけなんだけど)
「ゆ、ゆ、幸平ァ!まさかまさかと知り合いなわけ!?」
吉野がすごい勢いで詰め寄って来る。
「い、いや、知り合いというか、今日授業の後に喋ったんだよ」
「は!?え、ちょ、どういうこと!?!!」
今度はに迫る。
「あのね、私が話しかけたの」
「え?」
「だから私から幸平くんに話しかけたんだ」
「マジで!?」
吉野が叫ぶ。
吉野だけではない、他のみんなも次々と驚きの言葉を口にする。
俺がその状況にあっけにとられていると。
「あ、そうそう」
我に返った吉野が俺のほうを振り返る。
「この人がさっき言ってた……」
「はい悠姫そこまでー」
何かを言おうとしていた吉野に九条がストップをかける。
「せっかくだから、もうちょっとだけ内緒にしておこう?」
「あーそれもいいね!」
彼女たちはクスクスと笑う。
周りのみんなもニヤニヤしている。