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フレンチの料理人のお気に入り【四宮】

第2章 編入生


あれから無事に授業は終了した。

生徒たちは次の授業の教室に移動する。


もちろん編入生である創真も例外ではなかった。

田所恵と一緒に教室を出て次の教室に行こうと廊下に出たその時。





「幸平くん」



誰かが彼の名前を呼んだ。



「ん?」

創真が後ろを振り向くと。





「こんにちは、幸平くん」


そこにいたのは、透き通るような声の持ち主こと九条だった。




「お、おう。初めまして、だよな?」

いきなり声をかけられた創真は一瞬戸惑ったものの、すぐに笑顔になる。



「ええ、初めまして。私は九条。あなたは幸平創真くん、だよね?」

「ああ、編入してきたんだ」

「もちろん知ってるよ、これからよろしくね」

「おうっ、こちらこそ」


二人は笑顔で握手を交わす。





「そういえば恵」

は創真と一緒にいる田所恵に声をかける。



「よかったね!評価Aとれて!」


その言葉を聞くと、恵の顔がぱあっと明るくなる。



「う、うん!ありがとう、ちゃん!創真くんのおかげなんだよ」

「でも恵だって頑張ったわけだし。それにしても幸平くん、さっきのはファインプレーだったね」

「まああれはたまたま運が良かった、っていうのもあるけどな」

「いやいや、蜂蜜を使うなんてアイディア、なかなか思いつかないよ。すごいね」

「そこまで褒められると逆に照れるなー」


ははは、と笑いながら幸平は嬉しそうな顔をしている。



「ふふふ、でもあれくらいできて当然、かな?」

「……?」


さっきまでと言っていることが若干違うのを不思議に思った創真。


だが彼女の言葉のわずかな食い違いの理由はすぐにわかった。




「だって君、この学校のてっぺん獲るんでしょ?」
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