• テキストサイズ

イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第11章 〜11〜






「でもある日。大名が私に夜伽を命じたことで、状況は一変したんです。」

「よ、夜伽って……」

「大名は自分の力だけではどうやっても織田家に取り入れないと思ったのか、私との子供を成し、その子供を人質として織田家に預け、自分と織田家の繋がりを持とうと思ったようです」

「そんな理由で?……酷い……」

「……この時代ではよくある話です。望まない結婚、望まない相手との子供。」

「でも……」

「夜伽自体は確かに嫌だったけど、どうでもよかった。でも、もし子供が生まれたとして、それが男子だったら。ある程度大きくなったら人質として、離れ離れにされてしまう。もし女子だったら。女子は人質にはなりませんから、下手したら城を追い出されて路頭に迷うことになる。どちらにしても、自分の子供に辛い思いをさせる事は目に見えていました。」

「……そうだね……」

「ですが、私は夜伽をすること無く城を出ることなったのです。」

「え?どうして……」

「大名が私に夜伽を命じたと、あっという間に城中に知れ渡りました。すると今まで陰でしか嫌がらせをしてこなかった女中達が、目の色を変えて私に当たってきたのです。」

「え……」

「……きっと、女中達は大名に憧れていたのでしょう。いつか自分が正室になれると。私だけではなく、大名は色々な女中に手を出していたようですから」

「……最低な人……」

「狭い城の中の話です。大名に気にいられようと女中も家臣も必死でしたからね」

「……そっか……」

「そうして私が大名にも、女中にも嫌気がさした頃。戦が起こりました。」

「戦が……?」

「ええ。大名は織田家に取り入ろうとすると同時に、他の派閥にも同じ様にいい顔をしていた事が織田軍にバレて、城が襲撃されたのです。」

「……優鞠は……無事だったんだね……」

「ええ。城はめちゃくちゃに壊されたけど、それを見てると何故か心がすっと晴れたんです。」

「……辛かったんだね……」

「自分でも分からなかった程、私の心は病んでいたようです」


私は悲しくなり顔を伏せた。
そんな私をみて優鞠は明るく言った。




/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp