第11章 〜11〜
部屋を出た政宗は、寝巻きを持ち、襖の前に待っている優鞠を見つけた。
「戻ってたのか」
「ええ。ですがお取り込み中かと思い、外でお待ちしておりました。」
「ふ、悪いな」
「いえ」
「お前、の専属の女中になったんだってな?」
「はい。信長様がそう仰られまして……」
「なんだ、嫌なのか?」
「とんでもない。私に務まるか少し不安に感じているだけです。」
「信長様の命なんだろ?自信を持て。」
「はい……」
「それに、お前達2人は似てる気がする。きっと仲良くやれる」
「そうでしょうか……」
「あぁ、何となく放っておけない感じがな」
「???」
「じゃ、を頼んだぞ」
「……はい」
政宗は優鞠にそう言うと歩きだした。
(私が様と似てる?どこがだろう……放っておけないってどういう意味?)
優鞠は首をかしげながら、部屋に入っていった。
「様、お待たせいたしました。寝巻きに着替えてください」
「あ、うん。」
私はそう言うと立ち上がった。するとすぐに優鞠が手際良く帯を外して、着物から寝巻きに着替えさせてくれ、まとめていた髪も簪を外して下ろしてくれた。
「ふぅ。ありがとう」
「明日は昼頃までゆっくり休めとのお達しです。なので、昼餉の前に起こしにまいります。よろしいですか?」
「うん。お願い。」
「では、私はこれで失礼致します。ゆっくりおやすみ下さいませ。」
「うん。おやすみ優鞠」
優鞠は軽く頭を下げると部屋を出ていった。
私は布団に寝転び、やっと寝られるな……明日午後から何するんだろう……などと考えているうちにあっという間に寝てしまった。