第44章 〜44〜番外編③
「で?家康は一昨日は何やってたんだ?」
「別に……ちょっと出掛けただけです」
「へぇ」
政宗はニヤリと笑って家康を見た。
「政宗さんだって、昨日の夜帰らなかったんでしょ?結局宴から逃げてるじゃないですか」
「しょうがないだろ?行くなって止められたら。」
「止められなかったから初日宴に出たんじゃないんですか?」
「初日はな。まんまとお前は逃げてやがるし、白粉臭くて箸は進まねぇし。すぐ帰った。」
「へぇ……(前は程々楽しんでたって聞いたけど……変わったな政宗さんも)」
政宗と家康が2人で話している間、私は優鞠と2人で、照月と遊んでいた。
「かわいいね、この子」
「ね。人懐っこいし……。ねぇ、虎ってよく飼われてる物なの?」
「いや……珍しいんじゃない?」
「だよね……(大きくなったらどうするんだろ……)」
「ねぇ、」
「ん?」
「私……今日すごい楽しい。」
「ほんと?良かった。」
「うん。家康とも過ごせたし、とも政宗様ともゆったり話せたし……こういうの幸せだね」
「うん、私もそう思う。こういう何気ない幸せな日って大事だよね」
「そうだね……」
この時代で過ごした日数が増えると同時に幸せな思い出が増えて行く。
いつまでもこの幸せが続く事を心で祈った。