第44章 〜44〜番外編③
「あ、家康。昨日お前逃げただろ」
「……何のことですかね 」
「ったく……こっちは大変だったってのに、なぁ?」
政宗はニヤリと笑いながら私を見る。
「もう………」
「……ごめんなさい政宗様……」
「なんで優鞠が謝るの」
「私が……ちゃんと宴の説明しなかったから……」
「優鞠は悪くないって言ったでしょ?」
「でも……」
「そうだ、優鞠は悪くない。」
「……何があったんですか?」
「こいつ、一昨日の花魁が入る宴に参加したんだ」
「はぁ?」
家康は私を見て溜息をついた。
「あんた……馬鹿でしょ」
「……だって……花魁見てみたかったんだもん」
「だからって女が宴に出てどうすんの」
「一目見てすぐ出たもん。誰の邪魔もしてないよ」
「……当たり前でしょ。」
「でも政宗も言わなくたっていいじゃない。まだ怒ってるの?」
「いや?こんな面白い話知らないなんて家康が可哀想だろ?」
「……別に知らなくても良かったですけど」
「まあ、そう言うな」
「が馬鹿だって事は分かりました」
「うっ……(今となっては言い返せない……)」
「……」
優鞠が心配そうな声で私を呼ぶ。
「大丈夫。まあ……色々私が悪かったの。はい、この話おしまい!」
「わかったわかった」
政宗は私の頭を子供をあやす様に撫でて笑った。
(……政宗も意地悪な所あるから……もう変な事しない様に気をつけないと……)