• テキストサイズ

イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第42章 〜42〜番外編①






「なんか……今日皆さん楽しそうですね」

「そりゃそうよ。年に1度のお楽しみの日ですもの」

「お楽しみ?」

「あら、聞いてない?」

「はい……」


首を傾げた私に、お珠さんが説明をはじめた。


「京の遊女屋から花魁が城に来るのよ」

「花魁……?(この時代にも居るんだ…)…」

「ええ。今日から3日間、男達は花魁と遊べるから……皆朝から騒がしいのよ」

「へぇ……でも、女中の皆さんも何だか楽しそうですけど……?」

「ああ、女中達はね、昼からは自由時間になるからよ」

「自由時間……?」

「男達だけ楽しんじゃ悪いって、信長様が女中達にもお休みをくださったの」

「そうなんですね……」

「まあ、朝餉は作らなきゃならないし、他にも休めない仕事はあるから皆がお休みって訳には行かないけど。女中は交代制で皆がどこかで休めるようにしてるの」

「へぇ……」

「聞いてるでしょ?優鞠は今日お休みを頂くって」

「はい。家康と出掛けるって事は聞きましたけど……花魁が来るのは今初めて聞きました……」

「あらそう。……まあ、様にはあまり関係ないから……花魁が入る宴は城の女は立ち入れないし……」

「そうなんですか?(花魁……見てみたかったな……)」

「ええ。宴の支度も遊女屋の人が全部してくれるのよ。」

「へぇ……凄いお金かかりそう……」

「だから、年に1度のお楽しみなのよ」

「なるほど……」

「暫くは戦も無いし、今のうちに遊んでおけっていう信長様から家臣達への労いなの」

「え、信長様が考えたんですか?」

「ええ。城に仕えてると、あまり外へと遊びに行けないじゃない?安土に遊女屋はないし……それに、毎日働いて鍛錬してばかりじゃ兵は逃げ出したくなるから、御褒美なのよ」

「御褒美……(飴と鞭……的な?)」

「私達女中も、なかなか一日休みなんて貰えないから、ありがたい話なのよ」

「へぇ……。お珠さんは何するんですか?」

「ふふ、今日は久々に家に帰るわ」

「へぇ……」

「うちの旦那は安土の隣町で商店をしてるの。お互い忙しいからなかなか会えなくて。今日くらいはね」

「そうなんだ……楽しんできてください」

「ありがとう。じゃあ、そろそろ城を出るから……お先に」

「はい」





/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp