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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第41章 〜41〜




(……城下に行くのかと思ったけど……どこ行くんだろ……)


てっきり城下へ行くと思っていたので、少しだけびくびくしていた気持ちが落ち着いたきた。


(誰かに見られたら……とか考えたくないけど……やっぱり考えちゃうな……駄目だな……)


考えながら下を向いて歩いてると、家康の足が止まった。


「着いたよ」


家康の声に顔を上げると、そこは花畑だった。


「うわぁ……」


思わず感激した声を上げると、家康が満足そうに微笑む。

「気に入った?」

「うん……お城の裏にこんな所があるの知らなかった……」

「ふふ、嬉しそう」

「うん、嬉しい」


家康に促されて腰をおろす。


「この前……ここ見つけて。喜ぶかなって」

「……ありがとう」

「簪……付けてくれたんだ」

「あ、うん。……どうかな?」

「似合ってる」

「……ありがと」


家康が柔らかく笑うのを見ていると、胸が痛いほど高鳴るのを感じた。


「……最初ね」

「?」

「家康に出かけようって言われた時……ちょっと不安だったの」

「……なんで」

「……正直……他の人に見られたらまだ怖いなって……思ったの。ごめん。」

「なんで謝るの?」

「……え?」

「別に……優鞠がまだ気にしてること俺も知ってるし。無理に連れ回したりしない」

「家康……」

「そりゃ、手を繋いで何処だって歩きたい。でも優鞠が嫌なら……」

「……どうしたら……」

「優鞠……?」

「どうしたら……人の目を気にせず家康と過ごせるかな……私だって……家康と……」


家康はそっと私を抱き締めた。


「そんな泣きそうな顔しないでよ」

「家康……」

「無理強いはしないって言ってるでしょ」

「だって……家康が我慢してるのはつらい……」

「我慢なんてしてない」

「…………」


そっと身体を離して顔をのぞき込まれる。


「俺は優鞠のためなら何でもする。優鞠の気持ちが何より大事なの」

「……うん……」

「……俺が無理してるなんて勝手に決めつけないで」

「…………」

「俺は……優鞠と一緒に居られるだけでいいんだ」

「……私も……」

「でしょ?だから……ゆっくりでいいから」

「うん……ありがとう……」




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