第41章 〜41〜
と政宗様と別れ、家康に手を引かれて連れてこられたのは私の自室だった。
「……なんで……?」
「優鞠、着替えてきて」
「え……?」
「出かけるよ」
「……うん……わかった。」
私は急いで自室に入って襖を閉めた。
「……急に出かけるって……何……」
不思議に思いつつも、待たせてはいけないと急いで支度をする。
なるべく目立たないような色の着物に着替え、髪の毛を簡単に纏めあげた。
鏡台の前に腰掛けた時、家康に貰った簪が目についた。
(あ……これ……付けて行こうかな……)
まとめた髪に簪を挿して最後に鏡を見る。
「……よし」
少し緊張しながら襖を開けた。
すると、家康は驚いた様な顔で私を見つめている。
「お待たせ……変……?」
「……いや……変じゃない。」
「…………?」
「可愛い 」
「っ……そういうこと……恥ずかしいからやめて……」
「いいでしょ。本当の事だし」
「……もう……」
「ほら、行くよ」
家康は再び私の手を取り歩き出す。
その道は城下へと続く道ではなく、城の裏の出口へと続く道だった。