第38章 〜38〜
(……怒って……る……?)
怖々と秀吉を見て返事をする。
「……はい。」
「お前、ここで寝ないって俺に言ったよな?」
「寝てないよ!ちゃんと自分の部屋で寝た!」
「じゃあなんでここにいる」
「……政宗が起きたら、なんでここに居るのか分からないだろうし……と思って心配してさっき来たの」
それを聞いた秀吉さんは短くため息をついた。
「はぁ……。それならいい。」
「……はい。(よかった、げんこつ逃れた……)」
「こいつ酒飲んだ次の日は、寝起きが悪いんだ。だから俺が起こしに来たんだが……」
「そうなんだ……」
「……俺は悪くない。光秀が酒を飲ませたんだ」
「光秀なぁ……にしてもお前なら酒だとすぐに分かるだろ?」
「……たまたまだ」
「まあ、に何も無かったからいいけどな」
秀吉さんは私の頭を撫でながら言った。
(……政宗……なんか子供みたい……)
拗ねたような表情が可愛らしくて思わず笑いそうになったが、笑うと政宗が怒るだろうなと我慢していると、政宗が横目で私を不機嫌そうに見た。
(……怒ってる……かな……)
「ほら、支度して朝餉食いにいけ。俺は先に行ってる。」
「あ、うん。ありがとう秀吉さん」
「気にするな」
秀吉さんは微笑みながら部屋を出ていった。