第38章 〜38〜
(……政宗ってこんな寝起き悪いの……なんか意外……でも起きてもらわないと……うーん……)
今以上の声量で名前を呼ぼうとした瞬間、襖が開かれた。
「……お前ら……!!」
「ひ、秀吉さん……助けて……!!」
「……ったく……来て正解だったな」
秀吉さんは怒りながらも、呆れた様子で近づいてきて、政宗の頭を思いっきり叩いた。
「……ってぇ……」
「起きろ、政宗!」
「んんー?」
「政宗……起きて……」
「………… 」
私の声に気がついたのか、薄目を開けて私を見た。
「…………」
数秒見つめあったかと思うと、さっきよりも強く抱き締められた。
「ちょ、ちょっと!」
「政宗、いい加減にしろ!」
秀吉さんはそういうと政宗の腕を力づくで外し、私を助け出してくれた。
私は急いで起き上がると布団に正座して、政宗の身体を思いっきり揺らす。
「政宗、政宗!朝だよ!」
「………………なんでここにいる?」
「…………」
政宗はようやく目が覚めたようで、私を見ながら問いかけた。
「……はぁ……」
秀吉さんは政宗の頭に痛そうなげんこつを落とした。
「……ってぇな!秀吉なにすんだ!」
「なかなか起きないお前が悪い。」
(痛そう……秀吉さんは怒らせないようにしよう……)
「……も秀吉も……なんで俺の部屋に……?」
政宗は部屋を見渡して不思議そうにしている。
「昨日の事覚えてるか?」
「宴……だったよな?」
「ああ。それでお前が酒飲んで寝ちまったから、俺と三成でここに運んでやったんだよ」
「……酒……?……あぁ、光秀の野郎……」
「思い出したか?」
「……世話かけたな……」
「構わない。……そして」
を呼ばれたことに驚いて秀吉さんを見る。