第38章 〜38〜
宴の翌日、いつもより少しだけ早く起きた。
(政宗……大丈夫かな……)
身支度を整えて、静かに部屋を出て昨日政宗を寝かせた部屋へと音を立てずに向かう。
まだ朝が早いためか、誰ともすれ違わなかった。
(……人気が無さすぎて……なんか怖いな……)
い
部屋について、そっと声をかける。
「……政宗起きてる?」
返事が無いため静かに襖を開くと、昨日と同じ姿で気持ちよさそうに寝ていた。
(寝顔初めて見た……綺麗……)
布団の横に腰掛けて、寝顔を見つめる。
起こさないように頬に触れる。
(男の人なのに……肌綺麗だよね……ずるい……)
すると、政宗が起きたのか身体を捩って寝返りをうつ。
手を慌てて離そうとすると、腕を掴まれてぐいっと布団に引きずり込まれた。
(うわっ……!!)
気づけば政宗に抱き締められる形で布団に寝転んでいた。
「ま、政宗……?起きたの?」
そう問いかけるも返事はない。
「……寝ぼけてるの……」
抱き締められた状態で見上げると、何処か満足そうに微笑みながらも寝息が聞こえてきた。
「……寝てる……」
起こそうにも抱き締められたままで身動きが取れない。
「……政宗、ねぇ、政宗!朝だよ!」
声を少し張り上げて名前を呼ぶと、微かに眉間にシワがよった。
「……起きて、朝だよ!」
「……うーん……」
「ちょっと……」
まったく起きる気配がなく、どうしたものかと頭を悩ませる。