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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第33章 〜33〜







「政宗……ほんとごめん……」

「……まあ、女に突き飛ばされたのは初めてだったけどな」

「……ごめん。ほら、宴行こ?みんな待ってるから」


私が立ち上がって政宗を促しても、立ち上がろうとしてくれない。


(そんな怒らなくても……私だって吃驚したし……何より恥ずかしかったし……)


私がどうしようもできず、困りながら政宗を見つめていると、政宗が自分の唇を人差し指でつついた。


「……なに?」

「お前から口付けたら許してやる」

「……は……」


私が唖然としていると、腕を引かれて政宗の膝の上に座り込んだ。


「ちょっと……」

「…………」


政宗は真剣な顔で私を見つめてくる。


(……これは……しないと梃子でも動かないからなって顔……だな……)


「もう……わかったよ……」


私は引かれた腕と反対の腕で政宗の左目を素早く隠し、その勢いで軽く政宗の唇に口付けた。


「……これでいい?(初めてしたよ……こんなこと……)」

「……ふ、しょうがねぇ、今日は今ので許してやる」


政宗はニヤリと笑って私を抱えて立ち上がった。


「ちょ……降ろしてよ……」

「だめだ。」

「なんで……」

「こら。暴れるなって」

「うぅ……もう……」


政宗に横抱きにされたまま、廊下を運ばれる。
恥ずかしいが、運良く誰にも合わないことだけが幸運だった。


「ねぇ……そろそろ広間着いちゃう……いい加減降ろしてよ……」

「しょうがねぇな」


渋々と言った顔で政宗は私をゆっくり降ろした。


「……まさか私が言わなかったら、あのまま広間入ってくつもりだった……?」

「ん?その方が良かったか?」

「いえ、辞めてください。」

「まあそう言うな」


広間の襖の前で政宗が立ち止まる。


「入らないの?」

「ん、いや」


政宗は思い立ったように私を見つめた。


「ん?」


私が見つめ返すと、音を立てて唇を掠め取られた。


「ちょっ……」

「続きは宴が終わってからな。飲みすぎて潰れんなよ?」

「……うん……」


私が頷いたのを確認すると、政宗は満足そうに襖を開けて賑わう広間へと入っていった。


「……やられた……(でも……嬉しい………)」


頬が赤らむのを隠しつつ、政宗の後に続いて広間へと入った。




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