第29章 〜29〜
「おふたりは……恋仲なのですか?」
「え?」
「ん、三成はまだ知らなかったか?」
「……はい」
「えっと……」
私が答えに戸惑っていると、政宗が私の肩を抱き寄せて言った。
「こいつは俺のモンだ。手、出すなよ?」
(ちょ……三成くんが私に手出す分けないでしょ……)
慌てて肩に回された手を取り払うと、三成くんが私の手を握りしめた。
「様、良かったですね」
「え……うん」
「勝手に、様の事を姉のように慕っていたので……私もとても嬉しいです」
三成くんは感動したという顔で私と政宗を見つめている。
驚きながらも次第に嬉しくなってしまう。
「ありがとう三成くん……私も三成くんの事弟みたいに思ってるよ?」
「本当ですか?嬉しいです」
「ふふ、これからも仲良くしてね」
「もちろんでございます」
2人で手を取り合ってにこにこしていると、政宗が呆れながら言った。
「弟、な」
「ええ。ご年齢も私より少し上ですし」
(てっきり女として狙ってるもんだと思ってたが、兄弟愛か……。あの時は俺も焦ってたって事だな。)
政宗は勘違いしていたことに気が付き心の中で自嘲した。