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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第28章 〜28〜





廊下を進むと、が居るのが見えた。
即座に気持ちを切り替え、の名前を呼んだ。


すると、に怒ってるのかと聞かれ、内心ドキリとした。

に心配をかけるわけにはいかない。
表情に気をつけながら優しく頬をつねってやった。


「政宗と恋仲になったこと俺に黙ってたな?」


そう言うとは焦りながら俺の腕を掴む。


「寂しいじゃねぇか」


頬を離して頭を撫でながら言った。


寂しいのは本心だった。
まだと出会って日が浅くとも、いつの間にかは家族の一員のような気持ちでいる。
だが、政宗ならきっと、を大事に守ってくれるだろう。


照れたように笑うが可愛らしくて頭を撫で続けた。
するとが思い出したように言った。


「頭撫でるの癖だよね」

「……そうか?」


そんなこと言われたのは初めてだった。
でも、言われてみるとよくの頭を撫でている覚えがあった。


(無意識だった……嫌だったか)


とっさに謝ると、予想外の言葉が返ってきた。


「小さい頃に両親もお兄ちゃんも無くしてるから……頭撫でられるとほっとする」


(こいつ……家族がいないのか……)


が、元いた時代に帰りたいという素振りを見せなかった理由がわかった気がして、悲しくなった。
それと同時に一つの決意を決めた。



「お兄ちゃんが生きてたら……秀吉さんみたいに可愛がってくれたかな……って」

「……その兄貴の分まで、俺がめぐみの事可愛がってやらなきゃな」


俺がそう言うと、は少しだけ驚き、すぐに笑った。

がずっとこの時代で生きていくなら、俺がの家族になってやる。
死んだ家族の変わりには到底慣れないが、この時代で、俺が近くに居られる期間だけでも家族としてを見守ろうと心に誓った。





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