第28章 〜28〜
その後も色々な城の仕事をに案内した。
とはいっても、どれも男の仕事だらけで危険な仕事ではなくてもそこにを働かせるのは少しだけ気が重く感じた。
(男達の中に放り込むのもなぁ……)
そう思いながらに聞くと、思った通りの返事が来た。
最初からそう思っていたと言うと、少し驚いた顔で俺を見上げた。
(まあ、文の配達や書物の整理なら語学や城の勉強にもなるしだろうしな。)
「まあ、実際働かなくても色んな所に顔出せばこの城に仕えてる奴らとも顔見知りになれるだろうと思ってな」
そう笑顔で言うと、は俺の意図を理解したらしく柔らかく微笑み返してくれた。
(やっぱり女中の仕事だよな)
のやりたい仕事が無事決まり、を部屋まで送り届けようかとした所、女中に呼び止められた。
信長様が呼んでると言うので、とはそこで別れ、仕事のことは自分から伝えておくと、天守へと歩き出そうとすると、女中が焦った様に言った。
「様もお連れしろとの事です……」
(も?)
の仕事の事は自分に一任されたはず……
何故も呼び出されたのかわからないが、とにかくを連れて天守へ向かうことにした。