第28章 〜28〜
翌朝、早速昨夜の話をしに行こうと、の部屋へ向かっていると前から本人が歩いてくるのが見えた。
(丁度いい、手間が省けたな)
「、優鞠おはよう」
朝餉の食器を下げに来たという2人と共に食事場へ歩きながら話をすることにした。
(自ら食器を下げに来るあたり、こいつに姫暮らしは似合わねぇな)
姫として暮らしてはどうかと問いかけてみると、思った通りの返事が返ってきて、思わず笑ってしまった。
代わりに仕事してみてはどうかと提案してみると、顔を明るくさせて自分が出来る仕事を真剣に考えていた。
(真剣に考えてるみたいだな……まだ疑っている訳では無いが、こいつはどう見ても白だな)
「まあ、ゆっくり考えてみてくれ」
そう言って話を終わらせた。
まだ城へ来て数日、仕事はこの時代に慣れるためと言っても無理に働いて身体を壊されても困る。
去り際、優鞠の肩を叩いて「頼む」と言って別れた。
の先祖女中と信長様から命を受け、見張れ等と言われたもんだから変にぎくしゃくしないか心配していたが、2人は上手くやれているようで安心した。
優鞠も、織田家に使えるようになるまでの話を聞いていたからか、何処か心の中で心配していた。
だが、仕事はしっかりやっているようだし、特に問題は無さそうだ。