第28章 〜28〜
「秀吉、の処遇だが」
「はい。」
「基本的にはの意思に任せる。」
「に、ですか」
「一応は織田家縁の姫として迎え入れたからな。望むなら花札でも貝合せでも好きに遊びながら暮らせばよい」
「…………」
「まあ、いつまでも好きに遊ばせておくつもりは無いがな」
「どういう事でしょう……」
「時期がくれば手頃な武将の嫁にでも向かわせる」
「嫁……ですか」
「あいつは俺の天下統一の為の幸運の守りだ。その時期がくれば俺の役に立ってもらうのは当然の事だ」
「……信長様に言われたとしても、素直には嫁に行くでしょうか……」
「それ以外に俺やこの城のために尽くせるというのなら考えてやらんこともない」
「つまりは……姫として暮らすか、城についての仕事をするか、本人に選ばせるということでよろしいですか?」
「ああ。お前からそう伝えろ」
「かしこまりました」
「話は以上だ」
「は。失礼します」
秀吉は立ち上がると天守を後にした。
(姫か……が大人しく遊んで暮らす事を選ぶような女には思えねぇな……)
が出来る向いていると思われる仕事を頭に思い浮かべながら自分の御殿へと戻った。