第26章 〜26〜
軍議が終わり、昼餉を済ませて家康は自分の御殿に帰ってきた。
この数日、目の前の戦以外の仕事になかなか手が着かない。
部屋で文や書類の整理をしてても、飯を食べても、寝る直前さえもずっと優鞠の事を考えていた。
(なんでまた友達になるなんて言ったんだろ……。あの時ずっと好きだったって、そう言えばよかったんだ。こんなぐだぐだ悩み続けるなんて自分らしくない……)
家康はパタリと後ろに倒れ込んで、天井を見つめた。
(優鞠……誰か好きな男居るのかな……多分恋仲の相手は居なさそうだけど……この城の奴かな……武将の誰かだったら……いや、誰にも負けるつもり無いけど……)
家康は今日何度目か分からない溜息をついた。
「……散歩でもしよう」
家康は立ち上がり御殿を後にする。