第25章 〜25〜
トマトの半分を角切りにしてスープに入れる。
残りのトマトはみじん切りにして、鍋で炒めて味付けし、魚のムニエルにかけるソースにした。
「あとは……お魚焼いたら出来上がりだよー」
「おう。腹減ったな」
「もうちょっと待ってね」
「ああ」
政宗は料理をするを眺めながら、物思いにふけっていた。
(なんかいいな、こういうの。)
私が魚を焼き終えて、できた料理をお皿に盛り付け、政宗に声をかけようとすると、なにか考えている様な顔をしているのに気がついた。
「政宗?出来たよ?」
「ん、ああ。」
「何考えてたの?」
「いや、お前と結婚したら、毎日こんな感じなのかなーと思ってな」
「け、結婚?」
「ああ。ふと思ったんだ。」
「昨日付き合い始めて結婚は早いでしょ……」
「ふ、そうかもな。でも、俺は」
政宗は言葉を切って、私の頬に触れて言った。
「結婚するならお前としか考えてない。」
「……え?」
「それが何年先かはわからねぇが、結婚するならお前がいい」
「……そんなの……私もだよ?」
「ふ、当たり前だ」
政宗はそういうと私に口付けた。
「……っ……んんっ……」
軽いリップ音と共に唇が離れ、抱き締められる。
「……いつか、ちゃんと言うから待ってろ」
「うん……わかった……」
(結婚なんて全然考えてなかったけど……元の時代に戻らないなら……そうだよね……結婚だって出来るんだよね……)
抱き締められながら考えて、そんな未来幸せだなぁとしみじみ思った。