第25章 〜25〜
「そうなの。だから家康が悩むのもしょうがないんだよ。」
「好きなら、男は女を掻っ攫うぐらいじゃなきゃな」
「家康は……優しいから。優鞠の事大事に思うからこそ行動に移せないんじゃない?」
「なんだ?俺が優しくないってか?」
「違うよ!別にそんなつもりで言ったんじゃないよ……」
「ふ、怒ってるわけじゃない。ただ、俺なら悩んでるくらいなら、たとえ駄目でも行動に移す。その方がやらずに後悔するよりいいだろ?」
「うん……そうだね」
「まあ、俺と家康は違うからな。ま、暫くはそっとしておいてやるか」
「そうだね……」
そう言いながら、ふと昨日政宗に言われたことを思い出した。
「でも……政宗だって家康と似てる所ない?」
「ん?何処がだ?」
「……昨日、私が未来に帰らない事にしたって言わなかったら……私の事好きだって言うつもり無かったって……」
「ああ……そうだな」
「それも……私の事大事に思って、悩ませるのが嫌だったからでしょ?それって家康の気持ちと似てない?」
「……そうかもな……」
「でしょ?」
「まあ、気持ちはわからなくない。でもお前と優鞠では立場が違うだろ?」
「まあね……ああーもう難しい。」
「お前がそんな頭悩ませる事ないだろ」
「そうなんだけど……優鞠には例え家康じゃなくても、いい人と幸せになってもらいたいんだもん……」
「まあな……」
「だから私も悩むの。そもそも優鞠今は恋愛するつもり無さそうだし……」
「そうなのか?」
「うん……ちゃんと聞いたわけじゃないけど……勘?」
私がそう言うと政宗が笑った。
「俺の真似か」
「ふふ。まあ、暫く様子を見るよ」
「ああ。」