第25章 〜25〜
「あんまり……からかったりしないであげてね」
「どうかな。あいつの悩みが女のことだなんて今まで無かったからな」
「そうなの?」
「俺の知る限り、あいつに女がいるなんて聞いたことねぇな」
「へぇ……(ずっと優鞠の事……まさか……)」
「まあ、だから優鞠との事で悩んでるんだろ。まして優鞠は女中だから、とか余計なこと考えてんだろ」
「なんでわかるの……」
「勘だな」
「勘……」
「あぁ」
「でも、女中っていうかその……立場の差?に慎重になるのはしょうがないんだよ。優鞠は1番それを気にしてるし……」
「俺なら気にしないけどな。まして女中と言えども織田家の女中だろ?いずれ自分の国に帰るなら、連れ去ってしまえばいい」
「あぁ、そっか……」
「だろ?それに信長様が女中の1人連れていかれて困るとも思えんしな」
「……そうだね」
「そう家康に言ってやれ」
「うーん……そうだなぁ……」
「なんだ、なにかあるのか」
「優鞠に家康がそう言っても……上手くいくかなぁも思って……」
「優鞠は家康のことどう思ってるんだ?」
「好きいうか……過去の事を大事にしてて……多分恋仲になるとか全然考えてないと思う」
「過去?」
「うん。優鞠は昔織田家に顔出してて、その時家康と遊んでたらしいの。子供の頃。その時から大事な人みたいなんだけど……」
「恋愛じゃないってか」
「たぶん……(それに秀吉さんのこともあるからなぁ……)」
「ふぅーん。難しい話だな。」