第23章 〜23〜

そうして秀吉さんの御殿に着いて、表にいた家臣の人に声を掛けて秀吉さんを呼んでもらった。



「おう、、待たせたな」

「ううん。忙しいのに案内頼んでごめんね」

「構わないって言ったろ。兄は妹の世話を焼くもんだ」

「ふふ」

「さ、仕事は沢山あるからな。さっそく行くぞ」

「うん。お願いします」

「まずは……まあ、お前には1番縁遠い所から行くから」

「縁遠い？」

「ああ、ほら、あそこに見えるのが武器庫だ」

「武器庫……」

「戦で使う武器や火薬が保管してある」

「へぇ……」

「その管理をする仕事がある。毎日数を数えたり、不備がないか確認したり」

「ふぅん……大事な仕事なんだよね……」

「お前のいた時代は戦なんて無いんだろ？」

「まあ……日本にはなかったね」

「だから1番縁遠いって言ったんだ」

「……そうだね」

「まあ、お前が武器に触れるような仕事がしたいって言っても許さないけどな」

「え？どうして？」

「危ないだろ。それにお前には刀や銃なんて似合わなすぎる」

「……そうかな」

「お前にはなるべく……戦とかそういう事と近づけたくないんだ」

「……」

「戦が仕事みたいな俺が言うのもおかしいけどな」

「そんな……でも、ありがとう。」

「可愛い妹を危険な目に合わせたくない兄貴のわがままだ」



秀吉さんはそういいながら私の頭を撫でた。


(なんか……なんとなく少し引っかかるのは気のせいかな……)



「さ、次に行くぞ」

「あ、うん」